Wednesday, January 20, 2016

ギフトツアーを振り返って


A Happy 2016!
ギフトツアーから半年以上が経ってしまいましたが、改めて最初のギフトの冒険を振り返り、作ってきたそれぞれが感じたことを共有できたらと思います。

☆ ソーヤ海より
のえりちゃんやりえさんがしっかりと思いをいているので(プラス日本語書くの苦手だから)短めに。ギフトエコロジーツアーは僕のエッジをかなり追求した実践だった。そこに、えりちゃんやりえさんの様な協力な助っ人がいたから実現できたもの。(イメージとしてはhttps://www.ted.com/talks/derek_sivers_how_to_start_a_movement?language=ja)。ものすごく考えさせられたし、心地よい取り組みではなかったけど、必要としていた大きな成長ができた。やりながら気付いたのがこのツアーは現代的な「巡礼」だったということ。もしかしたら、僕たちみんなが必要としているのは「巡礼」かもしれない。未知の世界に飛び込んで、一瞬一瞬自分と世界を信じて、現実を受け入れる練習。自分の恐れや執着と向き合って、ちょっとずつそこから解放されて行く旅。それが本質的な自由とパワー。この企画がディープ過ぎてちょっと言葉で言い表せないのが残念。参加者?実践者?も迷いながら旅を続けているよう。

今回の僕たちの実験を知る上であまり「やり方」に囚われてほしくない。僕のギフトエコロジーの先生の一人、ニップン・メッタに「どうやって生活を回しているのか?」と聞いた時に、彼は「それが問いではない」ときっぱり言われた。その時は、ちょっとムカついたけど(疲労もあったし)、後々考えるとその通り!やり方は一人一人自分が置かれた状況、自分の意志の強さなどで変わってくる。大事なのは、この冒険を初めて、恐れではなく、愛と希望に動かされる事なのだと。お金を使うか使わないかも大事だけど、究極的に重要なのは心の在り方。そして、ギフト(愛)の道を歩み続ける事。友達から聞いた話で、ギフトの世界は「何も期待せず、全てを受け入れる」実践だと。

僕の役割は、この世界を追求しながら、楽しく世の中に広まりやすい「かたち」を創造する事。多くの仲間とともに東京アーバンパーマカルチャーという名で、同じ様な思いを持った仲間とギフト精神のコミュニティーを育てている。

一緒に旅にでよう
愛を込めて
共生革命家


☆ 栄里です。
ギフトツアーから半年以上が経ってしまいましたが、遅ればせながら、ギフトツアー後に起こった様々ことをやっと文章にすることができました。

ツアー後、いろんな人からギフトツアーについて聞かれます。
どんなことがどのくらいの規模や広がりで起こっているのかわからないけど、ギフトでツアーをしたからこそ起こったこと、ツアーをきっかけにして生まれてきている様々な 実りを少しでもみんなに伝えることで、私たちが感じたワクワクを伝えられたらいいなと思っています。

ツアー中には様々な人たちがツアーを可能にするために協力をしてくれました。3家族が14名の宿泊先を提供してくれて、私たちが滞在したことを心から喜んでくれました。そして10日間中、20食以上の美味しい手料理をいただき、たくさんの食事の時間を素晴らしい人たちと共有しました。そして多くのパーマカルチャー、アグロエコロジー、ギフトエコロジーの実践者やエキスパートの人たちが惜しみなく時間を提供し、彼らのパッションを共有してくれました。これらはお金を払ってホテルに滞在したり、レストランで食事をしたり、 見学ツアーに行くだけでは感じられない経験ばかりです。

だからこそ、ツアーで出会った人たちとの関係がツアーを終えた今でも、より深く続いているのだと思います。
例えば、ツリーさんの行っているFree Farm Stand (http://freefarmstand.org/ ) にはツアー後、私を含め、何人ものツアー参加者がお手伝いに向かいました。そしてPanchoSamの開催するAwakin Circle http://www.awakin.org/oakland/ には現地に住んでいる彩ちゃんや現地にしばらく残っていたヒロミちゃんは毎週のように参加。私自身もツアーをきっかけに、すでに存在していたギフトエコロジーのコミュニティーに出会うことができました。Service SpaceというNippunさんの団体が行っている対話の会に何度か参加する機会をもらって「自分とお金についての関係の話」http://www.servicespace.org/about/circles/?op=money や「ギフトエコロジーのデザインについて」http://www.servicespace.org/event/view.php?eid=4280 をギフトエコロジーを実践している人たちと話す機会をもらいました。ツアーは私にとってベイエリアのギフトの生態系につながる貴重なきっかけだったと感じています。

そしてよりただ一緒に見学ツアーに参加するよりも、ずっと強いつながりが参加者同士も生まれました。日本でも参加者と海くんとのコラボレーションがツアー後早速開催されました。
奈良でNVCとパーマカルチャーのワークショップを行ったマヤちゃん。
鎌倉でギフトツアーの報告会をしたアヤちゃん。
メディアやアートを通じた活動を一緒に進めているニッキー。
マネージャー的に素晴らしい企画をどんどん進めているレミちゃん。

加えて、参加者同士のコラボレーションも始まっています。例えば、大学教員のイモちゃんは学生参加者のはじめ君をゲスト講師に招待してギフトエコロジーについて講義を行いました。

ソウルでも、Santa Clara Nippunさんの家やOaklandPancho SamCasa de Pazで行っている Awakin Circle (瞑想+ビーガンごはんのギフト)をヒロミちゃんが開催。

ツアー後、個人の旅もしばらく続いていました
ツアーで出会ったリコちゃん、ヒロ、コージローはツアー後に共にヨセミテまで旅をして、コージローはそのままヒッチハイクでカナダまで旅を続けました。
(コージローのブログはこちら http://cajiro.tumblr.com/archive 
ヒロはそのままアメリカに残って東海岸の親戚の家を訪ね一人初めての海外生活をスタート。リコちゃんもベイエリア、ポートランド、オーカス島と旅を続けました。
土井彩ちゃんはツアーで見たこと感じたことを素晴らしいブログの文章にしてくれています。
ギフトツアーについて
PanchoSamCasa de Pazについて
TreeさんとFree Farm について
NippunさんとKarma Kitchenについて

私自身もツアーをきっかけに、数ヶ月間Zen Centerでお世話になることにしました。ご縁をもらったから、とか、ベイエリアに引っ越してきて1年つっぱしってたから、一度ジックリ止まる時間を持ちたいと思った、という理由もありました。でも一番大きな理由はギフトツアーの経験をした後、すんなりこれまでの生活(短大で生物教えたり、翻訳したりして生活の糧を得る)に戻りたくなくて、というか戻ることにすごく抵抗があったから。ギフトの世界で生きている 人には軸になる精神性があるような気がして、自分なりにそれが何なのか探求してみたくなったのです。自分の日本人としての根っことして禅をもうちょっと勉強したいし。

そして、おそらくギフトの取り組みにおいて、誰もが気になるお金の部分。なんと現地のとてもたくさんの方々のギフトにより支えられ、宿泊代や食費、ツアーの人件費など当初必要と思っていた経費がほとんどかからなかったのです。そして97%がレンタカーなどの交通費関連だった経費も、ドネーションとしていただいたサポートによりケアすることができました〜!!! すごいことだと思います。(詳細報告は事務局サポートをしてくれたリエさんから)

14名の10日間に渡るツアーが贈与経済のモデルで成立したということは、ギフトエコロジーの世界の可能性を示す、かけがえのない事実です。本当にいろんな人のサポートでツアーが可能になって、ツアーの後もその時にできたつながりや起こった出来事から、次々と波紋が広がっていくのを感じています。今私が気付いている波紋はほんの一部でツアーを通じて蒔かれたタネが世界に広がって、これからも次々と新しい芽を生み出すエネルギーがまだまだ見えない地表で眠っている気がします。

ツアーで生まれた新たなギフトという愛のエネルギーが巡る生態系から大きな実りがこれからも生まれて続けることを確信しています。今後も楽しみです。

ギフトツアーから生まれている様々な波紋を「見える化」できたらと思い、ツアーの経緯と参加者によるツアーに関するブログを、ギフトの冒険のアーカイブとして新しいブログにしました。

今後もギフトツアーの参加者から生まれた活動(報告会とか、ギフトの試みのワークショップとか)や日本でのギフトエコロジーの動きを共有していけたらと思っています。

これからもますます多くの人がすでに存在する自分のギフトや自分の周りのギフトに気づき、お互いの豊かさを共有していくことができたらいいな、と思います。
私たちのこのギフトツアーから始まった冒険から、たくさんの人が愛と希望への道の可能性を感じてくれたら嬉しい。そして、これからも続いていくこの冒険にたくさんの人が一緒に参加してくれたらいいな。


☆リエより
ギフトツアーをご支援くださったみなさん、ありがとうございました。
心だけ旅していたサポート・リエです。
このツアーは参加者を含むツアーチームが疾走しながら作りあげた旅です。ふりかえってみると、取り組みについて検証するべきことはまだたくさんあると思います。でも何をおいても、この旅に希望をかけてくださった方々へ、感謝とともに収支報告をお伝えしておきたくて。また、TUP新体制の事務的調整を行うため、ツアーや活動へのドネーションを受けていた口座そしてサポート希望受付窓口のクローズも併せてお知らせします
OUT
 
 
日付
アイテム
経費(現地は$)
2015/5/30
OAEC ツアー費
50
2015/5/30
オリエンテーション準備
2.5
2015/5/31
移動
605.58
2015/5/31
移動
605.58
2015/5/31
SF空港駐車券
12
2015/6/1
UCSC 駐車券
12
2015/6/4
駐禁
66
2015/6/7
ガソリン
55.59
2015/6/7
ガソリン
58.51
2015/6/10
ガソリン
33.27
2015/6/2
UCSC メーター駐車
6
2015/6/3
ファーマーズマーケット駐車
2
2015/6/8
Richmond Bridge 通行(5×2
10
2015/6/10
Oakland Bridge通行
5
 
ツアー参加者からドネーション (駐禁代・通行料含む)
-304
 
小計($)
$1,220.03
 
 
 
 
カイ渡航費(往復)
¥60,000
 
その他
¥2,500
 
ツアー経費計($1換算は精算時レート)
¥215,097
IN
 
 
日本円でのドネーション 総額  
¥235,000
 
(オーディエンス7名、ツアー参加者5名よりギフト)
現地のたくさんの人々のプライスレスギフト
換算できません!!!
なんとプラス!
19,903祝福

当初、海さん、栄里ちゃん、私は3人でツアー経費負担することを想定していました。でも、このとおり黒字になってしまった!残ったお金は、今後の活動に使わせていただきます。この結果は、サポートしてくださった皆さんと、ツアーに参加した皆の協力、海さん栄里ちゃんのネットワークが生み出した宝物です。みなさん、おめでとう!
ところで、このツアーのことを知った人から「あなたは、なぜサポートしようと思ったの?お金はギフトなの?結局何を求めていたの?」と聞かれることがあります。最後に、その質問への答えを考えてみました。(結局、経費負担してないし、何もしてないような気もするけど。)ちょっと長くなりそうなので、以下はご興味のある方だけ読んでくださいね。
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私がサポートをしようと思った経緯
ツアーが始まる前に書いたとおり、「若い人たちに希望をもってほしい」という願いももちろん本当なのですが、聞く人々が腑に落ちない顔をするので(笑)もう一歩踏み込んで書いてみます。
支出する予定だったお金そのものは、私からの「ギフト」という意図ではありませんでした。経費負担申し出は、私がこの心の旅に参加するためのチケットであり、同時に主催2人が視点を高くするための便宜的なツールにしたいと考えていました。そして結果は経費負担ゼロ。不思議な感覚ですが、このお金について当初から損得を感じていません。それは、献身というようなことではなくて、表側の自分は「どうなるんだろう」と不安な一方、もう1人の私が「最善の結果をわかっていた」というような根拠のない確信です。それは本当に「根拠がない」のか?翻って根拠のない信頼が現実を作りだすことはあるのか?このテーマは、ギフトの世界とも関わっていくピースの1片でもあるようにも感じています。
このツアーは、社会へのアプローチとして発想が面白く、大きく広がる可能性を感じていました。主催の海さんと栄里ちゃんは、これから社会を変えていく人たちの代表者。考えるべき大事なテーマがあります。ギフトツアーというアートを描く2人に、社会へ広がる仕組みをデザインしてほしい。「でも、お金の問題に意識がいってしまったら、方向を間違えそうな企画だなぁ。とはいえ、世に生きる人としてお金について見ないふりはできないよね」と美しいストーリーの舞台裏について案じたのは、杞憂だったでしょうか。実際のところ、放っておいても2人は大丈夫だったとは思うのですが。あるいは、この「アート」に私も参加したかったのかもしれません。私の「サポートします」から始まるメールのやりとりの後、ツアー開始まで1ヶ月あるかないかの頃、小さな補助輪として2人に併走することになりました。

ギフトツアー中とその後に考えていたこと
ギフトツアーの最中、日本では国会前で繰り広げられるデモなど「新しい季節」が兆しを見せつつありました。
彼らが疑問を投げかける「政治」そこに付随する「企業」「慣行に生きる人(私自身も)」と西海岸の「ギフトの世界に生きる人々」の間に境界線はあるのだろうか?在り方の違う者が「対立」せず、また「利用」や「スルー」でもなく、共に生きるとは?それは、互いをよく知り理解することを変化のスタート地点とすることではないのか。私たちはみんな違うけれど、みんな同じ。平等で信頼できる関係性であれば、慣行経済の中にもギフトが存在する。そしてその融合の中に新たな仕組みができる。そんな希望が、このツアーを通して私が贈りたいささやかな「ギフト」だったと思います。それをどんな方法で贈ることができるのか、贈るべき場所はどこなのか、まだ答えがでていません。
お気に入りの巣の中で世界を見る小鳥から、俯瞰して世界を見る大きな鳥の感覚へ。次世代には思考の自由が広がっていますように。海さんと栄里ちゃん、あとに続く冒険者たちが、高く高く飛んでいる革命家になっているといいな。

店じまいのごあいさつ
ギフトツアーから続く不思議な旅を、国内にいた私もたしかに体験していました。旅とは考えを深めて心が動くということなのですね。
そして、このツアーから始まった交わり。書ききれないけれど、皆と関わって楽しかった事も考えこんだ事も大きな収穫でした。たくさん、たくさん、ありがとう!これを旅のお土産にして、小さな「海の家」のようなサポート受付窓口も店じまいにします。(もう冬だし!)頂いたご意見も、新しいTUP運営チームに引き継いでいきます。
ところで、5月からこのツアーに関わってきた私の中に「ギフトの精神」を映じている人もいるようですが、私の心の内では「勝負師」の側面が強かったと思います。(なんとなくごめんなさい。)ちなみに、プロギャンブラーは直感だけでは勝負しないそうです。次に続くギフトツアーはだれが冒険してもいいと思うのですが、用意周到な冒険者(ギャンブラー)が企画に手を挙げてくれたら、さらに面白く進化するかもしれません。

さて、私は店じまいですが、万能マネージャー・レミさん率いるTUP運営チームがホームページを新装開店するみたいですよ!!!また新しい旅に出発する新生TUPを楽しみにしていてくださいね。

Saturday, August 15, 2015

【ギフトの冒険家ブログ:土居彩④】代金の無い料理店『カルマ キッチン』創設者・ニップンさんのギフトな生き方

カリフォルニア州・バークレー。ここはカリフォルニア大学バークレー校がある活気溢れた学生街です。その中心、ダウンタウン バークレー駅から徒歩10分ほどの場所に『カルマ キッチン』というインド料理店があります。ここは、本場仕込みの美味しいベジタリアンインド料理が食べられるだけではなく、とても不思議な体験ができるレストラン。いったい何ができるというのでしょう? 
それはお会計時に判明します。「ごちそうさま」と伝票を見れば、「あなたのお会計は0ドルです」と書かれています。「タダってこと!?」。いいえ、ちょっと微妙にニュアンスが違います。伝票をよく読めば、前に来たお客さんが食事代を先払いしてくれたこと。そして今度はあなたが次のお客さんへギフトの輪をつなげるチャンスだと書かれています。けれど決してそれを強制するのではなく、あくまでもそのスタンスは“インビテーション(お誘い)”。つまりお支払いの請求はもちろん、いくら払ってくださいというプレッシャーもありません。笑顔を絶やさず働くスタッフ達もまたボランティアスタッフだといいます。
オークランドにあるギャングの巣窟で家を開放しているパンチョとサム。そしてサンフランシスコのど真ん中で、50年以上無料で食事を配り続けるツリーさん。彼らのようにここベイエリアでは、私有や営利を原理とする資本主義経済ではなく、支え合いや与え合いをベースとしたギフト経済で生きる人達がいることを知りました。けれども『カルマ キッチン』は飲食店、お店です。非営利団体だとしても賃料や材料費など店舗運営経費、資本が必要です。そこでギフトの輪を繋げなかった場合のリスクを常に店側が抱えなければなりません。そんな『カルマ キッチン』ですが、なんとスタートして8年以上も経つといいます。3年もてば良いとされる飲食業界で8年は大快挙。一体、創設者であるニップン・メッタさんとはどういう人なのでしょう? そして、どういう経緯でギフトなレストランを始めたのでしょう? お話を聞いてみると…。

創設者インタビュー!


ニップン・メッタさん。1975年12月31日生まれ。UCバークレーでコンピューターサイエンスと哲学を専攻。大学三年生のときに働いたIT業界で必要以上のお金を得て、全てギフトすることを決断。現在もギフトな生き方を歩み続ける。
ニップン・メッタさん。1975年12月31日生まれ。UCバークレーでコンピューターサイエンスと哲学を専攻。大学三年生のときに働いたIT業界で必要以上のお金を得て、全てギフトすることを決断。現在もギフトな生き方を歩み続ける。

「今私たちが生きているのは、個人社会ですよね。“私はどうするのか”“私はどうやって生活していくのか”“私はどう自分の恐れと向き合っていけばよいのか”。私、私、私…と、いつも自分中心で考えねばなりません。でも母親の胎内にいるときに、“5年プランを私はどうやるか”なんて考えませんでしたよね。私たちが相互に関係しあい、そして協力しあう世界。つまり全体意識のようなものと私たちが切り離されたとき視点が個へと傾き、こういった考えに陥るのです」とニップンさん。そこでレストランという形態をとり、利用者の意識をつなぐ実験をしているのが『カルマ キッチン』です。

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Tuesday, July 28, 2015

【ギフトの冒険家ブログ:こーじろー③】旅の終わりに



あんまりきれいにまとまらないんだけど、書いてみる。書くことが大事。

僕の旅ももうすぐ終わる。
日本に帰ると今までつけに回りていたお金の問題が降りかかり、消費の世界に引き戻される。でも”現実に戻る”という表現はしたくない。少なくとも今までの現実にはもう戻ることが出来ない。

南米へ行くために貯めかけていた少しの貯金も、いつか自分の家をつくる時の為にとっておいた祖母が掛けてくれていた学資保険も全て無くなってしまったけど、それでも帰らずに残って旅を続けて本当によかったと思っている。(これからどうして生きていこうか。笑)

もともとの渡米のきっかけとなったパーマカルチャーとギフトエコロジーのツアーに参加した理由は、「頭では理解しているけど体感として経験した事のない感覚や感情を知りたかった」という感じで、この旅には自分の中の意識の変革を求めていた。
自分の許容範囲を広げるということ。地球や宇宙の一部であるということを感覚として理解すること。そして与えるとか受け取るとか。



僕はこの2ヶ月間、人と行ったキャンプとブロックスホームステッドの滞在以外宿泊に一切お金を使っていない。これってすごいことだと思う。

サンフランシスコでは、始めて出会った僕を2日間泊めてくれて、食事を分けてくれたラリー。そして街を案内してくれたサムとクリス。
ギフトツアーでは、愛に溢れたもてなしに心が満たされたロスガトスのサリーとビーム、クレアとグレッグ。カサデパズでの素晴らしい時間を与えてくれたパンチょとサム。バークレーでツアーのみんなのために家を解放してくれたアヤコさん。

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【ギフトの冒険家ブログ:土居彩③】50年間サンフランシスコのど真ん中で、無料で食べ物を配り続けるツリーさん

カリフォルニア州・オークランドにあるギャングの巣窟で家を開放するパンチョとサム。彼らの自宅滞在中に今の自分が出来る、“ワタシサイズ”のギフト生活から始めてみようと思った私です。そして彼らのヒーローだというひとりの男性に会いにいくことになりました。

ツリーさん!


向かった先は、サンフランシスコ・ミッション地区。ここはもともとヒスパニック系移民が生活の場としてきたエリアですが、近年はGoogle、Twitterなどのテック系住民が移住して地価が大高騰、トレンドスポットとしても話題の場所です。人気ベーカリー「タルティーヌ・ベーカリー」には大行列が、そして昔なじみのメキシカン商店なども立ち並ぶ賑やかな街です。通りを何ブロックか歩くと、ワイルドに成長した木々が垣根を越えて顔を覗かす、都会のエアポケットが。ここは“The Free Farm(フリーファーム)”と呼ばれる、誰でも入ってアクセスできるガーデンファーム。「都会のど真ん中にこんな立派な庭があったのか!」。半年間サンフランシスコで生活していましたが、全く知りませんでした。私が借りている部屋のオーナーもまた、40年以上サンフランシスコで生活しているけれど初耳だったと言います。
フリーファームに一歩足を踏み入れると、まず鬱蒼と生い茂った竹林に圧倒されます。さらさらという竹の音に耳をすませば「ここって本当にサンフランシスコのミッション地区?」と、とても穏やかな気持ちに。静かなときが流れる庭にはアーティチョーク、栗、アボカド、プラムにナッツと、食べられる植物もたくさん植えられています。世界で3本の指に入るほど地価が高いと言われるサンフランシスコのミッション地区。そんな場所でこれほど広大な庭を開放している人とは一体どんな人なのでしょう? 収穫した作物や肥料などもすべて無料で人に提供し、野菜や果物の栽培法も無償で教えているといいます。さらには毎週日曜日にこちらでの収穫物に加えて、近くの庭やさまざまなファーマーズマーケットなどから余った食べ物を集め、公園で無料配布しているとか。シリコンバレーが近いサンフランシスコだから、スティーブ・ジョブズのようなテック長者が一山当てた後、ギフトの世界へと転向したのでしょうか? 

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Monday, July 27, 2015

【ギフトの冒険家ブログ:こーじろー②】くらべること

たくさんのホームレスとその隣を高級車で通り過ぎる人たち。テラスで食事を楽しむ観光客と低賃金で働く清掃員。家族のために1日中働く若者と大学に行き自分の夢を目指す若者。
僕は見て見ぬ振りをしたり、自分とは別の問題として捉えたり、あるいは存在すら認識していなかった。

お金を使わない旅を通して様々な人に出会った。

3歳で耳で聴いただけでモーツァルトが弾け、英才教育を受け世界の一線で活躍する音楽家がいれば、街角で地価の問題を廃材を用いてアートで表現する済む場所のないホームレスもいる。大学へ行くことができず家のために働かなければならない若者がいれば、大学院に進み夏休みを利用して旅行をしている学生もいる。裸足で森を歩いていく人もいれば、すぐそばに海も湖もあるのにプールで遊んでいる人たちもいる。自分の生まれた場所を心から好きだという青年もいれば、自分の国や地域に生まれたことを後悔している人たちもいた。

生きている世界も違えば、意識の幅も興味も考え方も違う。自分の周りの世界や人たちを普通と思ってしまいがちだけど、現実に、「普通」はそんなにない。僕たちはみんな違う。生まれた国や地域、家、育った環境、体格、健康、血筋、才能やセンスも。人間は工業製品ではないし誰も平等ではあり得ない。

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Monday, July 20, 2015

【ギフトの冒険家ブログ:えり⑥】ギフトの冒険 – お金の話

ギフトエコロジーの取り組みの実験としてツアーをギフトとして行った (ツアーの詳細はこちら。Greenzさんが記事にしてくれた「ギフトエコロジーとは?」はこちら)。という話をすると、大抵の人はすごいね!とポジティブな反応をくれる 。けど同時に興深かそうに、時にはちょっと遠慮気味に“お金はどうしたの?”と聞かれる。 
実のところ、現時点では私もお金がどうなるのかはっきりはわからない。でもなんとかなるものと思っている。といいつつ、こうやって思えるようになるまでのプロセスはなかなか感情的で簡単じゃなかった。不安になる日もあるし。ツアーではもちろん支払いが必要な部分もあった。レンタカーとかガソリン代とか駐車料金とか。最初は最終的にかかる経費をどうやってまかなうのかがわからなかったから、かなり冒険だった。でもそこは「きっとなんとかなるね」、とある意味根拠のない信念で進めた感じ。でもすごいのは、いろんな人のサポートで宿泊場、ガイド、食べ物が提供されて、実際に支払いの必要だった経費はほんのわずかなものだったこと。自分の周りに存在していた社会資本にアクセスできたことで、金銭的資本に頼る必要がすごく少なくなった、ということなんだと思う。 
サムが“お金は自分の関係性の指標として使えるよ。もしそこに関係性が存在したらお金は必要ないからね。お金を使うということはそこに関係性を築く余地がまだまだあるということ”って言ってた。
Casa de Pazでのランチ (Photo by Kojiro Inui)

まぁ、その視点から言ったら、 10日間に渡ってミニバン2台とかバスとか提供してくれる人とつながったり、それを提供してくれるまでの信頼性を築くのは、 宿泊や食事を提供してくれる人とつながるのと比べたら大変ということなのかも。でも感動したのは、かかった経費も、資金提供の形でツアー作りに貢献してくれた数人の人たちによってほぼ全てペイされたこと。

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